
大切な家族の一員である愛猫との別れは、深い悲しみの中で、何をすれば良いのか分からなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
特に、猫の葬儀や火葬については、「費用がどれくらいかかるのか」「どのような流れで進むのか」といった現実的な準備にも向き合わなければなりません。
この記事では、「猫の火葬費用の相場」や「依頼先ごとの違い」、「追加でかかる費用」までわかりやすく解説します。あわせて、ペット葬儀業者の選び方や、費用に関するよくある質問にもお答えします。
大切な愛猫とのお別れを、心安らかに見送るための一助となれば幸いです。
猫の葬儀・火葬にかかる費用

猫の葬儀や火葬にかかる費用は、平均で5,000円〜30,000円程度が相場といわれています。ただし、依頼する方法やサービス内容によって幅があり、選ぶプランによっては5万円以上になるケースもあります。
たとえば、自治体に依頼する場合と、ペット専門の火葬業者に依頼する場合ではサービス内容が大きく異なり、それに応じて費用にも差が出ます。さらに、火葬の方式や、火葬後の供養方法によっては追加の費用が必要となることもあります。
火葬費用を検討する際は、「どのような形で見送りたいか」という気持ちを大切にしつつ、費用の内訳やサービス内容をしっかり確認することが大切です。
猫の火葬費用を決める3つの要素

猫の火葬費用は、一律に決まっているわけではなく、体格・火葬方法・依頼内容によって大きく変動します。たとえば、同じ猫でも体格が違えば料金は変わりますし、火葬の方法や立ち会いの有無によっても金額は異なります。
また、火葬後の供養方法や追加サービスを利用するかどうかでも、最終的な支払額は大きく変わります。こうした費用差をあらかじめ知っておくことで、安心して希望に合った見送り方を選びやすくなります。
ここでは、猫の火葬費用に影響を与える3つの大きなポイントを詳しく解説します。
(1)猫の大きさや体重によって変わる

ペットの火葬料金は、体の大きさに比例するのが一般的です。体が大きいほど火葬炉の燃料を多く必要とするためで、猫の場合も体重を目安に料金が設定されています。
多くの火葬業者では「2kg未満」「5kg未満」といった区分で料金テーブルを設けています。一般的な猫は3kg〜5kg程度ですが、種類によっては大柄な猫もいるため、事前に愛猫の体重を確認しておくことで、費用の見積もりがより正確になります。
(2)猫の火葬方式によって変わる

火葬には主に「合同火葬」「一任個別火葬」「立会個別火葬」の3種類があります。費用だけでなく、お骨の返却の有無など内容が大きく異なります。
- 合同火葬:複数のペットと一緒に火葬する方法です。費用は最も抑えられますが、遺骨が混ざってしまうため返骨はされません。火葬後は提携の霊園などにある合同の慰霊碑に埋葬されるのが一般的です。費用相場は、5,000〜15,000円程度が目安です。
- 一任個別火葬:愛猫のみを火葬してもらう方法です。火葬の場に立ち会うことはできませんが、骨壷に納めた状態で返骨してもらえます。「お骨は手元に残したいけれど、火葬に立ち会うのは辛い」という方に適しています。費用は15,000〜25,000円程度が相場です。
- 立ち会い個別火葬:火葬に立ち会い、拾骨まで行える方法です。最後の瞬間まで寄り添い、自分たちの手で遺骨を拾えるため、手厚いお見送りが可能です。費用は20,000〜35,000円程度と、やや高めになります。
それぞれの火葬の流れや注意点を詳しく知りたい方は「愛猫の葬儀・火葬の流れ|手順や事前準備、必要な手続きを詳しく解説」のページで詳しく解説しています。
(3)付帯サービスによって変わる
基本料金のほかに、自宅へのお迎えや返骨配送、お別れ式の準備などのオプションを追加すると、その分費用が加算されます。
また、夜間や早朝といった時間外対応には、数千円〜1万円程度の追加料金が発生する場合があります。さらに、一部の業者では年末年始やお盆など特別期間の依頼に特別料金を設定していることもあるため、事前に料金表を確認しておくと安心です。
必要なサービスだけを選び、費用と内容のバランスを見ながらプランを決めることが大切です。
猫の火葬をどこに依頼するかによって費用が変わる

猫の火葬は、依頼先によって料金やサービス内容が大きく異なります。ここでは、自治体・ペット火葬業者・ペット霊園の3つを比較して、それぞれの特徴と費用の目安をまとめました。
依頼先 | 費用の目安 | 特徴 |
---|---|---|
自治体 | 3,000〜10,000円前後 | 合同火葬が基本。遺骨は返骨されない場合が多い。 |
ペット火葬業者 | 15,000〜35,000円前後 | 合同火葬・個別火葬・立ち会い火葬から選べる。自宅お迎えや返骨サービスがあり、柔軟な対応が可能。 |
ペット霊園 | 20,000〜50,000円前後 | 納骨堂や合同墓、永代供養など供養設備が充実。法要やお参りもできる。 |
(1)自治体に依頼した場合の猫の火葬費用
自治体の火葬方法は合同火葬が基本で、費用は最も安価な3,000〜10,000円前後です。多くの場合、遺骨は返骨されず、合同での焼却となるため、個別での見送りや拾骨には対応していないことがほとんどです。費用を抑えたい方や、シンプルな形で見送りたい方におすすめです。
(2)ペット火葬業者に依頼する猫の火葬料金
ペット火葬業者では、合同火葬から立ち会い火葬まで複数プランが用意されています。また、自宅へのお迎えや返骨サービス、メモリアル品の作成などのさまざまなオプションもあわせて依頼できます。費用相場は15,000〜35,000円前後で、希望に沿ったお別れを大切にしたい方に向いています。
(3)ペット霊園での猫の葬儀・供養にかかる費用
ペット霊園は火葬だけでなく、納骨堂や合同墓、永代供養といった供養施設が整っています。お参りや法要など、長期的な供養を続けられるのが特徴で、費用は20,000〜50,000円前後です。「供養まで含めた総合サービス」を希望する方におすすめです。
猫の火葬後に考えたい追加費用

愛猫の火葬が終わった後も、供養や思い出を残すために必要となる費用があります。遺骨の安置場所を決めたり、供養の方法を整えたりと、日々の暮らしの中で愛猫を感じられる形を用意することも、そのひとつです。
こうした準備には、火葬費用とは別に一定の費用がかかります。ここでは、火葬後によく選ばれている代表的な3つの供養方法と、その目安となる費用をご紹介します。
(1)猫の遺骨を納める骨壺・仏壇
返骨を希望した場合、遺骨を納めるための骨壺や骨袋、仏壇が必要になります。骨壺は2,000円前後から購入できますが、花柄や名前入りなど装飾性の高いものになると5,000円以上になることもあります。
また、自宅に仏壇を設ける場合は、小型のもので10,000円前後からが目安です。
(2)猫の納骨・墓石
火葬を終えた後、ご遺骨の納骨先として納骨堂や共同墓地、個別墓などの選択肢があります。
それぞれ必要な費用が異なり、共同墓地は数千円〜数万円、個別墓や墓石を新たに建立する場合には数十万円以上の費用が必要になるケースが多く見られます。
(3)猫のメモリアルグッズ
愛猫との思い出を日常の中で感じられるように、メモリアルグッズを作る方もいらっしゃいます。メモリアルグッズには、写真や名前入りの位牌、毛やヒゲを納める小さなケース、遺骨の一部を封入できるペンダントやリングなどがあります。価格は3,000円前後から数万円までと幅広く、用途やデザインによって選べます。
「いつもそばにいてほしい」「形として残しておきたい」という気持ちを形にできる方法のひとつです。
猫の火葬費用についてよくある質問

猫の葬儀・火葬は初めて経験する方が多く、費用やサービス内容について分からないことも多いものです。ここでは、特に多く寄せられる3つの質問とその答えをまとめました。
Q1: 猫の火葬費用の見積もりと実際の料金に差が出ることはある?
事前の見積もりと実際の料金に差が出ることはあります。
見積もり時には基本料金のみが提示され、実際の請求時にお迎え費用・骨壺代・時間外料金などが加算される場合があります。また、オプションサービスを追加した場合や、当日の希望変更によって料金が上がることも考えられます。
予算のズレを防ぐためには、事前に「基本料金に含まれる内容」と「別途かかる費用」を細かく確認しておくことが大切です。
Q2: 夜間・緊急時の猫の火葬は追加料金がかかる?
夜間・緊急時の火葬には、追加料金がかかるのが一般的です。
多くのペット火葬業者では、深夜や早朝の対応に「時間外手数料」として5,000円〜10,000円程度の追加料金を設定しています。また、一部の業者では年末年始やお盆などの特別期間にも特別料金を設けていることがあります。
急な依頼になる前に、希望する業者の料金表を確認しておくと安心です。
Q3: 猫の火葬費用の支払方法は選べる?
ペット火葬業者によりますが、支払方法を選べる場合が多いです。
多くの民間のペット火葬業者や霊園では、現金の他にクレジットカード決済に対応しています。突然のことで手持ちの現金がなくても安心して依頼できる場合がほとんどです。
ただし、個人経営の業者などでは現金のみの場合もあるため、依頼時に利用可能な支払い方法を確認しておくと確実です。
まとめ

猫の葬儀・火葬にかかる費用は、依頼先・火葬方法・付帯サービスによって大きく変わります。自治体での合同火葬は費用を抑えられますが、返骨ができない場合が多いです。一方でペット火葬業者や霊園では希望に合わせた見送り方が選べますが、その分費用は高くなる傾向があります。
また、火葬後にも骨壺や仏壇、納骨や永代供養、メモリアルグッズなどの費用がかかることがあります。見積もりと実際の請求額に差が出ないよう、事前にサービス内容と料金を確認しておくことが大切です。
大切な家族である愛猫との最後の時間を、後悔なく過ごすためには、費用だけでなく希望するお別れの形を考えながら準備することが何より重要です。この記事が、そのための参考になれば幸いです。
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